障害年金とは
1 障害年金とは
障害年金は、生存権を保障した憲法25条に基づいた公的な制度であり、国民年金と厚生年金に加入する人が一定程度の障害の状態になった場合に支給されます。
公的年金には障害年金の他、老齢年金、遺族年金があり、いずれも収入が低下するリスクを負う人に対して国民が出し合った保険料等から給付を行い、生活を支えようという制度です。
2 障害基礎年金と障害厚生年金
公的年金は、厚生年金には会社員や公務員が加入し、それ以外の20歳から59歳までの人は国民年金に強制的に加入する仕組みになっています。
そして、障害の原因となった病気やケガで初めて医師や歯科医師の診察を受けた日(初診日)に国民年金に加入していたか、20歳未満または60歳から65歳までであった場合には障害基礎年金の支給対象となり、初診日に厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金の支給対象となります。
障害基礎年金の支給額は、2級が満額の老齢基礎年金と同額で、月額約6万5000円であり、1級の場合はその1.25倍となります。
一定の条件に該当する子に対する加算があります。
障害厚生年金の支給額は、過去に支払った厚生年金保険料の金額によって決まるため、一人ひとり金額が異なります。
1級と2級の場合は、一定の条件に該当する配偶者に対する加算があります。
3 障害年金の対象となる傷病
障害年金は、外見上わかりやすい外部障害だけでなく、呼吸器や心臓、腎臓、肝臓等の内部障害や、うつ病、知的障害、発達障害等の精神障害も対象となります。
対象となる病気や障害の範囲は大変に幅広いと言えます。
以下に障害年金の対象となる主な傷病を挙げていますので、ご覧ください。
眼 | ブドウ膜炎、緑内障(ベーチェット病によるもの含む)、白内障、眼球萎縮、網脈絡膜萎縮、網膜色素変性症、網膜はく離、腎性網膜症、糖尿病網膜症など |
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聴覚、平衡機能 | 感音性難聴、突発性難聴、神経性難聴、メニエール病、頭部外傷又は音響外傷による内耳障害、毒物中毒による内耳障害など |
鼻腔 | 外傷性鼻科疾患など |
口腔(そしゃく・言語) | 上顎癌、上顎腫瘍、咽頭腫瘍、咽頭全摘出手術、失語症、脳血管障害による言語障害など |
肢体の障害 | 事故によるケガ(人工骨頭など)、骨折、変形性股関節症、脊髄性小児麻痺、脳性麻痺、脊柱の脱臼骨折、脳軟化症、くも膜下出血、脳梗塞、脳出血、上肢または下肢の切断障害、重症筋無力症、上肢または下肢の外傷性運動障害、関節リウマチ、ビュルガー病、進行性筋ジストロフィー、ポストポリオ症候群など |
精神障害 | うつ病、双極性障害、統合失調症、てんかん、知的障害、発達障害(アスペルガー症候群、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、学習障害、チック症など)、高次脳機能障害、アルツハイマー病など |
呼吸器疾患 | 気管支喘息、慢性気管支炎、肺結核、じん肺、膿胸、肺線維症、肺気腫、呼吸不全など |
循環器疾患 | 心筋梗塞、心筋症、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症、先天性心疾患など |
腎疾患 | 慢性腎炎、慢性腎不全、糖尿病性腎症、ネフローゼ症候群、慢性糸球体腎炎など |
肝疾患 | 肝炎、肝硬変、肝がんなど |
糖尿病 | 糖尿病(難治性含む)、糖尿病性腎症、糖尿病網膜症など糖尿病性と明示された全ての合併症など |
血液 | 再生不良性貧血、溶血性貧血、血小板減少性紫斑病、凝固因子欠乏症、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、HIV感染症など |
その他 | 人工肛門、人工膀胱、尿路変更、クローン病、潰瘍性大腸炎、化学物質過敏症、周期性好中球減少症、乳癌・子宮頸癌・膀胱癌・直腸癌等の癌全般、脳脊髄液減少症、悪性高血圧、その他難病 |
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